中判カメラを持ってロードトリップへ:一色一成
1 4 Share Tweet旅好きなフォトグラファーであれば、皆一度はアメリカでのロードトリップを夢見るもの。きらびやかな都市部、どこまでも広がる乾いた土地、田舎町で暮らす人々の姿。中判カメラを持ってアメリカ一周に挑んだ 一色一成 さんが捉えた様々な風景をご紹介します。
こんにちは、一成さん!今回の旅行についてお話を聞かせてください。まず、なぜアメリカを選んだのですか?
こんにちは!よろしくお願いします。昔からアメリカの音楽、映画などの文化が好きで、とても親しみを持っていました。今回は特に「ロードトリップ」という言葉に魅了され、どうせなら一周してやるぞと思い立ち、50日間の旅にフィルムカメラ4台を持って出かけました。中判カメラはハッセルブラッド500cmにレンズはカールツァイスのプラナーCF80mmF2.8。あとは35mmでナチュラクラシカ、ビッグミニ、コニカC35EFを持って行きました。
スタートはフロリダ州のオーランド。そこから、マイアミ、キーウエスト、ニューオリンズ、ダラス、マーファ、エルパソ、アルバカーキ、フラッグスタッフ、セドナ、パームスプリングス、サンディエゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、カリスペル、ラピッドシティ、シカゴ、ニューヨーク、ワシントンD.C.、オーランド。なんとなくのルートです。
今回の旅行に、なぜ中判カメラを持って行ったのか教えてください。
中判フィルムは、色、湿度、温度、艶、質感などが、目で見た感じそのままに写る気がします。ありのままのアメリカを、感じたままに、静かに、そして自然に写したかった。過去から現在に流れた時間と空気が中判フィルムには焼き付く気がします。僕はそういう写真が撮りたかったです。
旅の間、もっとも印象的だったことは何ですか?
たくさん有る様で無い様な感じです。車がパンクして焦ったり、夕日がとても綺麗で感動したり、孤独感で独り言を言い出したり、サンフランシスコのお寿司が美味しかったり、完全なる自由だったり。色々とあったけどやっぱり一番嬉しいのは、「おおっ」と思った場面に出会い、それをカメラで撮っている時ですね。その瞬間が一番元気が出ます。
今回のベストショットはどの写真だと思いますか?
難しいですが、一番最初に現像から上がってきた物の中にあった、道の写真が印象的です。期間が長かったので、何を撮ったかなんて忘れてますから、「あぁこんな所もあったなぁ」って感じでした。けれども、「長い間ロードトリップしたんだなぁ」としみじみ浸れる写真です。
普段はポートレイトやストリート写真を撮影されているそうですが、写真の構図を決めるときに1番大事なことは何ですか?
今、感じてるその場の空気を、そのまま写す事が大事だと思います。あと、あまり考えない。僕はなるべく自分の感情や意図を入れたくない。それを読まれると恥ずかしいので。自然光のみでレフ板も使わない方が自然だと思います。普通な物が撮りたい。それが逆に一番かっこ良くもあり、とても難しいけれど物の本質に近いと思います。
どんな写真家にでも会えるとしたら(死んでいても、架空の人物でもOK)、あなたは誰に会いたいですか?
マグナムフォトグラファー達や、ウィリアム・エグルストン、ロバート・アダムス、ティム・バーバー。飾らない感じの温度感がとても好きです。
これから、どんな日々を過ごしながら写真を撮っていきたいですか?
知らない物、知らない場所、見たことないものに触れるのが一番の幸せなので、もっと色んな所に出掛けて写真を撮っていきたいです。
次の目的地を教えてください。
次はタイに行きたいです。アジアも昔から好きで色々行きましたが、最近は久しく行っていません。アジアの喧騒、混乱、湿気、温度、匂いを感じたいです。湿度が高い方が僕の肌に合い、テンションも上がります。乾燥したアメリカとはまた違った写真が撮れると思います。
一色一成さんのその他の作品は Instagram または Website でご覧いただけます。
2018-09-11 #people
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