Petzval LomoAmigos: Jörgen Axelvall

Jorgen Axelvallはスウェーデン出身で現在は東京で活躍するフォトグラファー。
昨年末にLomo’Instantで彼独特の唯一無二の作品を私たちにシェアしてくれたのも記憶に新しい彼ですが、
伝説のポートレイトレンズ『New Petzval Art Lens』では一体どのような傑作を生み出したのでしょうか?彼のインタビューと共にお楽しみください。

Name: Jörgen Axelvall
Location: Tokyo
Lens: New Petzval Art Lens
Web: jorgenaxelvall.com

Jörgen、久しぶりだね。君の写真家としてのキャリアを少し教えてもらえませんか?

僕の生まれはスウェーデンで、2011年に東京に拠点を移す前はニューヨークで15年間活動していました。
アート写真も撮るし、ファッションやポートレイトも撮る。動画も時には撮ったりするよ。
2013年には、US VogueとBottega Venetaが主催した”New Exposure Award”で国際的な賞をもらいました。
賞をもらったから、って急に僕のキャリアが変わるわけではなかったけれど、僕の写真に対する自信を確かなものにしてれたな。
去年はいい感じに忙しい1年でした。3月には、インスタレーションと展示を同時に行って”Instant Moments”というモノグラフを出した。
7か月後の10月には、Ofr.TOKYOで”Always Looking through Glass”という別の展示も行ったし、
11月には僕の最新の写真集である”I was looking for Park Hyatt Tokyo”を、また展示と同時に出版しました。
最近は、Odalisqueというマガジンの紙媒体の、東京担当のエディターとして公式に活動しています。

写真家として活動することのどのような側面が君は好き?

それは沢山あるなあ。技術が発達した現代では誰もが写真家だよね。それはとってもいい事だと僕は思う。
ドキュメンタリーを撮るフォトグラファーとしては、世の中にはこびる矛盾に光を当てて世界を変えられる点だと思うし、
あるいは写真家としては、現実にはあっても消えてしまいそうだけど、皆が見たいという思いを思っている幻想を具現化できる点だと思う。
僕個人的なレベルでは、写真を撮っていることでとても魅力的な人々に沢山会える点かな。

Photo by Jörgen Axelvall

何の要素が素晴らしいポートレイトを作り上げると思う?君の意見を聞かせて。

ベストなポートレイトは、見た人に何か新しい気持ちをもたらすんだ。
その気持ちがどういうものか、というのは人それぞれでどうでもよいんだけれど。
とりあえず、見たときにその人が一瞬他のことを考えるのをやめてその新しい気持ちを感じられるポートレイトが一番素晴らしいと思う。

Photo by Jörgen Axelvall

Petzvalレンズを初めて見たとき、どう思った?

すっごいクラシックだ!と思った!8×10の古いカメラのために似たようなレンズを使っていたんだけど、ちゃんと新しいものが再び生産されるんだなって思ってとてもハッピーに思ったよ。

新しいPetzvalレンズを実際に使ってみて、どうだったか君の体験を教えて。このレンズのどんなところがお気に入りかな?

このレンズを装着するだけで、ムードが変わるし、どう写真を撮るか自分自身も変わるよね。見るからにそうだし、実際のつくりもとても高い技能でもって手作りされている。だから、僕ももっと僕自身の手で精巧なものをつくろうという気分になるんだ。
撮ってみた写真は本当に僕好みのスタイルだった。
僕はデジタル写真に対しては愛情と、忌み嫌う気持ちの両方があるんだ。デジタルなスタイルは手軽だし、アナログなスタイルに比べて比較的安いコストで済む。でも最新のテクノロジーが写真にもたらすシャープさとか質感は嫌いだな。僕はオールドスクールな人間だけど、その一方でいくつかのデジタルカメラを10年前から好んで使ったりもしてるんだよね。
僕が最新のテクノロジーを使って写真を撮る時は、自分の雰囲気に合わせるためにフォトショップでちょっとシャープじゃなくしている。でもPetzvalレンズを使うときはフォトショップを使わなくていいし、生に近いRAWデータで保存できるのも嬉しい。
心の底からこのレンズが欲しいと思っているよ。あ、そう言えってお金をもらってる訳じゃないからね!(笑)
あえてひとつだけこうなればいいなという点を挙げるのならば、もう少し違った焦点距離のPetzvalレンズだね。それが可能なのかは知らないんだけれど。

君が撮った写真について、もう少し教えてもらってもいいかな。撮った写真の中でお気に入りのものがあったりする?

撮影はとっても楽しかったし、それはチームのおかげだとも思っている。
モデルのXander Angは被写体として素晴らしかったし、かつポジティブでオープンマインドを持っている人物で、とっても仕事がしやすかった。
素晴らしいクリエイティブの一人である Demi Demu がスタイリングをやってくれた。
これは典型的なファッション撮影ではなかったから、予算があまりなかったんだ。
だから代わりにDemiが彼女のスタジオにあったものを活かして撮影のセッティングをしてくれた。
服のうちのいくつかは彼女自身の手によるものだし、他のいくつかは、彼女が愛しているMaison Martin Margiela、Raf Simons、Wendy& Jim and Mariosといったブランドのものを彼女の私的なコレクションから選んでもらったよ。
Ofr.Tokyoで撮影できたのも、僕がそのギャラリーでロモグラフィーの愛すべき人々に出会えたのがきっかけだ。
その時は、”Collageno”という岐阜を拠点にして活動しているアーティストである Pablo Mesa の展示会をしていた。
僕はその展示会のオープニングに行ったんだけれど、とってもそのアートワークが気に入ってしまって、そこでシューティングをしていいか思わず聞いてしまった。
豊富な質感の記事と、ビンテージのやわらかいポルノでできたPabloのコラージュは、デジタルで修正される身体について扱っていて、それがなんだか僕がファッション写真に感じていることと全く同じだな、と思ったんだ。
素晴らしい空間で、素晴らしいアート共に写真を撮れることは本当に刺激的なことだ。
モデルのXanderがPabloのコラージュを持ちながらDemiオリジナルのメガネを着けている写真は、今回のコラボレーションをよく表している一枚で、僕のお気に入りの一つだね。

Photo by Jörgen Axelvall

もし、Petzvalレンズを世界のどこかに君と一緒に持って行けるとしたら、どこへ行く?そして誰を撮影したいかな?

最近オーストラリアのブランドの gorman ととても楽しい撮影があったんだ。他の仕事よりコラボレーションの要素が強くて、メルボルンで行われるファッションショーにも招待されているんだ。オーストラリアの行ったことの無い場所に訪れて、Petzvalを通して見てみたいな。

何年かの間世界中を旅して、良いポートレイトを撮ることとどこで写真を撮ったかはあまり関係がないことなんだと学んだよ。
それと同じく、フォトグラファーがその人との何らかの繋がりを感じることが出来るのならば、誰を撮るかもその出来にあまり関係のないことなんだ。
いや、そのモデルのことを知っていなければならない、ということじゃないよ。
モデルとはただそこで会っただけかもしれないけれど、なんらかの形でその人とつながっているな、と感じることの出来る人を撮るのが良いと思う。
時には、それはその人物の見かけかもしれないし、あるいはその時に彼が、あるいは彼女が、かもしれないけれど、何をしたのか、何をしているのか、が好きで写真を撮るかもしれない。一目惚れみたいなものだね。

今後、なにかわくわくするプロジェクトはある?

僕の展示会、”I was looking for Park Hyatt Tokyo”はもう終わったんだけれど、そのオープニングの夜に僕のそのプロジェクトが 第18回文化庁メディア芸術祭 のアート部門の審査員委員会の推薦作品のひとつに選ばれたことが分かった。だから、国立新美術館に今それが展示されているよ。(※第18回文化庁メディア芸術祭は2/4から2/15まで。)
同プロジェクトの本も好評で、皆の記憶に残るものになるといいな、と思っている。
でも、既に次のプロジェクトについても考えているよ。
次回のプロジェクトは、日本の卓越した詩人のひとりである、高橋睦郎さんの詩と、僕の写真のコラボレーションになりそうだ。
僕の準備は既にできていて、あとは本にしてくれる出版元をなんとか探さなきゃいけないんだよね。(笑)

I was looking for Park Hyatt Tokyo / National Arts Center / Japan Media Arts Festival

written by ciscoswank on 2015-02-14 #people #lomoamigo #petzval
translated by ciscoswank

More Interesting Articles